アマゴとヤマメの渓流釣り

アマゴとヤマメの渓流釣り

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榎葉魚(エノハ)とは?

九州の渓流釣りファンならご存知のとおり、大分・福岡と熊本及び宮崎の両県北ではアマゴとヤマメはエノハと呼ばれ、熊本・宮崎の県南ではヤマメはマダラと呼ばれてきた。
アマゴは、大分県内から福岡県の瀬戸内側が天然の生息域であり、九州の他地域は総てヤマメ域である。

 

榎葉魚(エノハ)とはアマゴとヤマメを総称した呼び名。とにかく、エノハそう呼ばせていただきますよ。

 

なぜなら地元である大分ではそう呼ばれていました。

 

四国の高知に10年ほど棲みついていたせいか、個人的にはアマゴが好きなんです。

 

ヤマメとアマゴには日本各地に沢山の地域呼称があります。各呼び方はその地域にこそ相応しいものであり、その歴史や風土を映しているものですから、全国各地の呼び方を大切にしていこうという願いも込めてます。

 

トラウトなどの新しい言葉を使うのも良いのですが、おいらは伝わっているものを大切にしたいなと。魚種としてのヤマメ・アマゴとは違い、九州北〜中部の谷に棲まうのはエノハなんだと思ってます。
もちろんマダラも大事にしていきたいのです。

 

アマゴとヤマメを九州で釣ることを楽しんでいきたい!

 

渓流釣りの世界

ぽつねん、と谷あいに佇むとき、山や木々からも声が聞こえる気がする。何時からだろうか、現(うつつ)か幻かも分からぬような感覚に陥り、アマゴやヤマメの水音で目が覚める。おいらにとっての渓流釣りはそんなものだ。

川で谷で遊ぶために

渓流釣りの道具や仕掛け、用語、解禁情報、ポイントなどをここでは記していく。独学で遊ぶおいらのクセが出ているので、少しだけでもなるほどと思うところがあれば幸いです。皆さんの渓流釣りの参考になれば嬉しく思います。

 

 

渓流釣りの道具

おいらが使っている竿、タモ、仕掛け類など。アマゴとヤマメにほんの少しのイワナとニジマスへの気持ちを、形にしてくれる渓流釣りの道具。古いものばかりしっかり使い込んでるから、愛着もわきすぎてます(笑!)

 

渓流釣りの用語集(仕掛けやポイント)

各趣味やスポーツには、一般的な表現ではないものが多く、専門用語だけではなく慣用的表現や地方表現などもよく使われています。渓流釣りの場合は、釣り・登山・地形表現が入り混じっており、不明な用語もチラホラ。

 

ここでは、エサ釣りを中心に真面目なものから、?なものまで。はては憧渓のみが使用・認定する渓流釣りにかかわる用語を紹介。道具や仕掛け、ポイントに関するかなりの部分を網羅しております、ご笑覧ください。
「本当に関係あるのか?」などと云われそうな用語までも増やし、もはや検索語句狙いかと自問自答。(ハハハ)

 

 

 

 

 

エノハという呼称について

アマゴとヤマメの混交

標準和名でいうアマゴとヤマメのどちらともエノハと呼んでいた九州の中・北部。
ただしこれを正確にいえば(天然の生息域で考えると)、大分県や福岡県の東部でエノハ=アマゴであり、大分県の筑後川水系・福岡西部・佐賀・熊本・宮崎はヤマメ域だからエノハ=ヤマメという図式となり、これを九州中北部全体として見たときに、エノハ=ヤマメ、エノハ=アマゴとなるのである。単純にエノハ=ヤマメ=アマゴというわけではない。

 

※1 宮崎及び熊本の南部ではヤマメ=マダラという呼称があった
※2 番匠川水系については別項で考察する予定なので詳細は省く

 

このエノハという言葉(地方名)には、アマゴとヤマメの生息域の問題と表現及び放流や釣り人の問題の諸々の側面を含んでいる。

 

まずは生息域について述べてみたい。九州で渓流釣りを趣味としている方ならご存知の通りと思うが、各々の境界線を越えてヤマメ域にアマゴが、アマゴ域にヤマメがそれぞれ釣れていることである。特に生息分布の境界線上の河川を中心に酷いものがある。
ヤマメ域である北川、筑後川や矢部川などでアマゴが釣れている。また大分川、大野川、山国川などといったアマゴ域にヤマメが放流されていた事実。だからと言って、単純に各河川の漁協のせいなどと捉えてはいけない。魚種としての分離が地域性や歴史性もあって現場レベルで進んでいなかったことやブラックバスの放流と同じく一般の釣り人が放流していた問題もある。
この放流に関しては、河川ごとの魚種を徹底し、遺伝的形質を保護していくことが最も注意が必要な点であることは言うまでもない。しかし周知の徹底、放流費用、河川ごとの種苗の確保などの問題をクリアしていかなければならないことは多い。

 

次に一般的(釣り人以外)なアマゴとヤマメの混同を大分県内の現状を示しておこう。
まず炭酸泉で知られる長湯温泉の某旅館や食堂では、エノハ料理の説明をヤマメ料理という。もちろんアマゴ域外からヤマメを仕入れているのかもしれないし、養殖業者がヤマメを育成しているのかもしれないが、芹川産や大分川のエノハというのならばアマゴである。
また由布院の多くの旅館で出されるヤマメの塩焼き(うちの旅館以外にも仕入れていたところは多いんで♪)として出されている魚もアマゴであった。納入に来た業者さんに、「これヤマメじゃなくアマゴ!」って言ったら「分かるんですか?」って言われた。確かにアマゴは育成状況によれば朱点が出にくいのもあってヤマメにも見えるし、エノハファンとして寂しかった記憶がある。せんじゅのみずで知られる大分川水系の地魚として自信を持ってアマゴと呼んで欲しいし、エノハと呼んでおけば誤魔化しも効くと思える。ヤマメの方が通りが良い点に流されないでいただきたい。水分峠を越えた日田でヤマメの塩焼きというのは正しいのだから。

 

最近の放流ではアマゴに厳選という言葉も目立つ大分県内の魚券も、かつては大野川ヤマメ遊魚券販売中という文字が見られていたが、その他の県内河川もほぼ同様であった。アマゴ域にヤマメを放流しそのまま販売してきた事とそれを指摘してこなかった私たち釣り人!これには混生域に近い大分県の歴史的地理的背景があったことと、釣り人自身がどっちでも一緒だからなんて雰囲気があったことが背景だろう。

 

アマゴは日本にしか生息していない魚であり、大分県はその最西端及び南端部にあたる。釣り人だけでなく地域の人々にも大切にしてほしいもの。

アマゴをヤマメと言わないで!

アマゴ・ヤマメ好きの私にとって体型と姿に全くといって差異の見られないこの魚で、朱点のあるアマゴとないヤマメの違いというものは別の魚といっても良いくらいの区別をしてしまう。魚類学的なものはさておいてもである。

 

渓流釣りをする方なら区別は優しいが、縁の無い人には無頓着でよいためにいらだつことが多い。おそらくアメゴ(アマゴ)のみの四国で渓流を本格的に始めたおいらが、帰省した大野川や大分川にて魚券がヤマメなどと売られていたり、釣れる魚がアマゴ域のはずなのにヤマメだったことになんの不思議さも感じていなかった大分の状況に腹が立ったためだったのかもしれない。

 

 

そのためか友人にや知り合いに「趣味は何ですか?」と聞かれた時に、
「渓流釣りですよ」
とよどみなく答えることができるのだがその後に、
「あぁ、ヤマメを釣るんですね!」なんて分かったように云われると、
「いんげぇ、アマゴです!」
と声を大にして突っかけたくなる。しかしその相手があろうことか、
「どっちも一緒みたいなものでしょ」とか
「日田や由布院なんかじゃヤマメの塩焼きで売ってますよ」なんて云われた日にはもう止まらない。
「全国的な分布で言うと、本州神奈川県の酒匂川から以西、中国地方の瀬戸内海側及び四国地方と大分の一部が基本的にアマゴ域です。ちゃんと見てもらえば分かりますが、こんな綺麗な朱点のあるのがアマゴで無いのがヤマメですよ。それに、有明海に筑後川として流れ込む上流部に当たる県西部の日田玖珠地方はもとからヤマメの生息域なんで、ヤマメの塩焼きで間違っていませんよ」なんて言いかねない。

 

これは、九重=ここのえを【くじゅう】と読むときにも発揮されるおいらの性質。これも国立公園やら歴史性やらがあってややこしい問題とは分かっているが、
「生まれは?」と聞かれて、
「はい、くじゅうです」と応えると、
「ひさずみ(久住)ですか、ここのえ(九重)ですか?」などと聞かれると沸騰寸前になるのと同じ。
このときに、
「ひさずみ(久住)ですか、くじゅう(九重)ですか?」なんて聞かれたら爆発する♪
「生まれは久住で、山の向こうはココノエです!」と言い返してしまう☆

 

なんだ、おいらが水分峠をあまり越えないのはそんな理由か? だとしたら小さい男です(大笑!)
ああ、どんどんずれていく‥。

 

 

話をアマゴとヤマメに戻そう。(笑!)
何故そんなにアマゴとヤマメの違いで目くじらを立てるのだろう。冷静に考えれば大人気ないこと。

 

アマゴもヤマメもどちらも大好き。ただ四国の完全なるアマゴ域でおいらが培養されたために、アマゴ域でヤマメが釣れることが許せないだけです。これは反対でも一緒のこと、北川や筑後川でアマゴが釣れたなら、わざわざ水系を越える必要ないでしょと感じる。ブラックバスを代表とする外来魚問題と一緒のレベルにあると感じてます。移植されてしまった魚にはなんの罪もありません。移植する人間とされてしまった以前から続いてきた環境をどうするのかを問いかけたいと思ってます。
九州内某地区でのニジマスに代表される外国産のマスやイワナも大きな問題が含まれてます。ブラックバスを擁護するつもりはないけれど、ブラックバス問題を徹底非難しながら、九州内でニジマスやブラウン、岩魚をC&Rして自然環境を考えようなんてのは笑っちゃいます。
未来の状況を考えながら、落とし所を探っていく作業こそがいま必要だと感じます。そうでないと保護などの条例ができれば、首が締まっていくのは釣り人です。

 

このエノハ亭も一応は渓流釣りのサイトなんで、釣り人や榎葉魚ファンとして思うのは、アマゴとヤマメの違い。
アマゴの方が意地きたない…、いや食い意地が張っている…、いや貪欲と呼ぶのが適切だろうか。アマゴは2度食いや追い食いをよくする。瀬などでは良く回り込みを繰り返しながら喰おうとする姿を見るし、アワセに失敗して2度目の流しでも喰うことは多い。
一方のヤマメはあきらめが良いのというのか、見切りが早いというか、警戒心自体アマゴより強く感じられる。また昔から食性的な部分において、「ヤマメ化する」という言葉がある。これは魚の警戒心が強くなることを意味した表現。
もちろん、喰いが立っているときなどはどんな魚も警戒心は薄れるものですが。

 

なんて冷静に考えているふりをしながらも、「んじゃヤマメの方が偉いのか?いや凄いのか?」なんて思い込むから自分は始末が悪い。「カレイはヒラメの配下」なんて言葉があったけど、そんなところでヤマメよりアマゴを下にみられた気がするのか、ついつい腹が立ってしまう。
少しばかり情けないが仕方ないのだ、久住の川で初めて獲った、朱点の綺麗なアマゴに魅入られて以来。

 

 だからこそエノハという魔法の単語

 

なんだかんだと記しましたが、

 

アマゴをヤマメじゃ絶対に「いけんです!」
ヤマメにも失礼なことこの上ない。

 

上記のとおり、大分県内では混生域やら変な放流やら歴史・研究家・商売や土地の関係ってなことが理由と言えるでしょう。確かに見た目で区別するのは好きな人じゃないとねぇ。
だからこそ、北・中九州にもとからあるエノハという単語こそがヤマメとアマゴにとって調度いいなぁという風に思えてくる。商売上もなんの問題が無いですよね、アマゴとヤマメの総称なんだから☆決して間違いにもなりません。ただ魚種としてはきちんと分けることは大切です。
今でも川の傍で話すとエノハって言葉が素直に出てくる年配の方が多い。だからおいらは九州に居る時は両方併せてエノハと呼びはじめ、今ではしっくりくるようになった。
もちろん高知に帰れば、アメゴって呼びますよ♪釣るときはエノハ、魚の種類を云うときはアマゴとヤマメに分けて記すのが私の姿勢です。

 

「きちんとアマゴとヤマメと呼び分けた方が良い」という意見には(九州・四国内において)耳を貸しません(笑!)守るべきは守ること、エノハ・アメゴという言葉もその一つです。魚種をしっかりと分けるのは、釣り人と業者・関係者だけで良いんですから。

 

さてエノハって何故にエノハと呼ぶんだろうか?